宇宙と未来の歯医者を目指す

2025年7月
  • 歯科医はドライソケットをこう見る見た目の診断

    未分類

    患者さんが「ドライソケットかもしれない」と不安に思うとき、その見た目の変化は重要な手がかりとなります。では、歯科医師はドライソケットを診断する際に、どのような点に注目し、特に見た目で何を判断しているのでしょうか。まず、歯科医師が確認するのは、抜歯窩(抜歯した穴)の状態です。最も重要なのは血餅の有無です。正常な治癒過程では、抜歯窩は血餅で満たされ、これが保護的な役割を果たします。ドライソケットの場合、この血餅が失われているか、あるいは不完全であることが特徴です。歯科医師は、専用の器具を用いて慎重に抜歯窩を観察し、血餅が存在するか、もし存在してもその質や量に問題がないかを確認します。次に、骨の露出の有無です。血餅が失われると、その下にある顎骨が露出することがあります。骨は通常、白っぽく、硬い組織として視認できます。この骨の露出は、ドライソケットの典型的な所見の一つであり、歯科医師は注意深く観察します。また、抜歯窩周囲の歯肉の状態も重要な診断材料です。ドライソケットでは、周囲の歯肉に強い炎症所見が見られることが多く、発赤、腫脹、圧痛などを確認します。炎症が進行していると、歯肉の色が暗赤色を呈することもあります。さらに、抜歯窩からの滲出物や膿の有無、そして特有の腐敗臭の有無も確認します。これらは細菌感染を示唆するサインとなります。これらの見た目の所見に加えて、歯科医師は患者さんの訴える症状、特に痛みの性質(抜歯後数日してからの激しい持続痛か)、時期、強さなどを詳細に問診します。必要に応じてレントゲン撮影を行い、骨の状態や他の合併症の有無を確認することもあります。このように、歯科医師は一つの見た目の特徴だけでなく、複数の所見や症状、検査結果を総合的に評価してドライソケットの診断を下します。患者さんが見た目で気になる点があれば、それを正確に伝えることが、迅速かつ的確な診断と治療に繋がるのです。