子供の顎しゃくれ早期発見と治療の重要性
お子さんの顎が少ししゃくれているように見える、あるいは下の歯が上の歯より前に出ている「受け口」になっているのに気づいたら、早めに歯科医師や矯正歯科医に相談することが大切です。子供の顎しゃくれは、成長期に適切な対応をすることで、将来的な問題を最小限に抑えたり、より簡単な治療で改善できたりする可能性があるからです。子供の顎しゃくれの原因は、遺伝的な要因が大きい場合もありますが、幼少期の癖(指しゃぶり、舌突出癖、口呼吸など)や、アデノイド・扁桃肥大による鼻呼吸の阻害などが影響していることもあります。これらの癖や問題を早期に発見し、改善することで、顎の正常な成長発育を促すことができます。では、子供の顎しゃくれに対して、どのような治療が行われるのでしょうか。成長期の子供の場合、まだ顎の骨が柔らかく、成長のポテンシャルがあるため、顎の成長をコントロールするような矯正治療(咬合誘導)が行われることがあります。代表的な装置としては、「上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)」があります。これは、上顎の成長を促し、下顎の成長を抑制することで、上下の顎のバランスを整える装置で、主に就寝中に使用します。また、「ムーシールド」と呼ばれるマウスピース型の装置を使って、舌の位置や唇の筋肉のバランスを整え、反対咬合を改善する治療法もあります。これらの治療は、一般的に「第一期治療(混合歯列期:乳歯と永久歯が混在している時期、おおよそ6歳から12歳頃)」に行われることが多いです。