一度治ったと思っても、またすぐにできてしまう「でかい口内炎」。このような再発を繰り返す場合、単に体調が悪いだけ、と片付けてしまうのは危険かもしれません。頻繁に大きな口内炎ができる背景には、何らかの原因が潜んでいる可能性があり、それを特定し、適切に対処するためには、歯科医師や口腔外科医といった専門家への相談が不可欠です。なぜ、でかい口内炎が繰り返すのでしょうか。考えられる原因は多岐にわたります。まず、生活習慣の乱れが挙げられます。慢性的な睡眠不足、栄養バランスの偏り(特にビタミンB群や鉄分の不足)、過度なストレスなどは、体の免疫力を低下させ、口内炎ができやすく、治りにくい状態を作り出します。また、口腔内の衛生状態が悪いと、細菌が繁殖しやすく、小さな傷からでも口内炎に発展しやすくなります。次に、口腔内の物理的な刺激が慢性的に存在する場合です。例えば、歯並びが悪く、特定の歯が常に頬や舌の粘膜に当たっている、尖った歯がある、合わない入れ歯や矯正装置を使用している、といった状況では、同じ場所に繰り返し口内炎ができることがあります。これらは、歯科医師による診察で原因を特定し、歯の研磨や矯正治療、入れ歯の調整などを行うことで改善が期待できます。さらに、特定の全身疾患が原因で、再発性の大きな口内炎が現れることもあります。代表的なものとしては、ベーチェット病が挙げられます。ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍を主症状とする原因不明の難病です。その他にも、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、尋常性天疱瘡や類天疱瘡といった自己免疫性の水疱症、鉄欠乏性貧血、悪性リンパ腫や白血病といった血液疾患などが、再発性口内炎の原因となることがあります。これらの疾患が疑われる場合は、歯科だけでなく、内科や皮膚科など、関連する専門科との連携が必要になります。また、食物アレルギーや金属アレルギーが、口内炎の原因となっているケースも稀にあります。特定の食べ物を食べた後や、歯科治療で金属の詰め物を入れた後などに口内炎が頻発するような場合は、アレルギー検査を検討することも有効です。