-
横になると歯が痛むのは虫歯のサイン?放置は危険
「横になると歯が痛い」という症状は、多くの場合、虫歯が進行しているサインである可能性が高いです。特に、ズキズキとしたり、脈打つような痛みであったりする場合は、虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達し、炎症(歯髄炎)を引き起こしていることが強く疑われます。この状態を放置することは非常に危険であり、様々な問題を引き起こす可能性があります。虫歯は、初期の段階ではエナメル質(歯の最も外側の硬い層)が溶かされるだけで、自覚症状はほとんどありません。しかし、虫歯が進行し、エナメル質の下にある象牙質に達すると、冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりといった症状が現れ始めます。この段階で適切な治療を受ければ、比較的簡単な処置で済むことが多いです。しかし、さらに虫歯が進行し、歯の内部にある歯髄にまで細菌感染が及ぶと、歯髄炎が起こります。歯髄炎になると、何もしなくてもズキズキとした強い痛み(自発痛)や、特に夜間、横になった時に増強する痛み(夜間痛)が現れます。これは、横になることで頭部への血流が増加し、炎症を起こしている歯髄内の圧力がさらに高まり、神経を強く圧迫するためです。この歯髄炎の状態を放置すると、どうなるのでしょうか。まず、耐え難い痛みが続くため、日常生活に大きな支障をきたします。食事もままならず、睡眠も妨げられ、精神的にも大きなストレスとなります。さらに放置を続けると、歯髄は細菌によって完全に壊死してしまい、一時的に痛みが和らぐことがあります。しかし、これは治ったわけではなく、むしろ症状が悪化しているサインです。壊死した歯髄は細菌の温床となり、感染は歯の根の先端(根尖)へと広がっていきます。そして、「根尖性歯周炎」という、歯の根の先に膿の袋ができる病気に進行します。根尖性歯周炎になると、噛んだ時の痛みや歯茎の腫れ、フィステル(膿の出口)ができるなどの症状が現れ、場合によっては顎の骨を溶かしてしまうこともあります。さらに重症化すると、顔が腫れ上がったり、発熱したりする「蜂窩織炎」という危険な状態に至ることもあります。また、歯髄炎や根尖性歯周炎を放置した結果、歯の組織がもろくなり、歯が大きく欠けたり割れたりして、最終的には歯を抜かなければならなくなる(抜歯)可能性も高まります。