お子さんの乳歯がグラグラしてくると、保護者の方は「いつ抜けるのだろう」「痛くないかな」と心配になることでしょう。乳歯の生え変わりは成長の証であり、喜ばしいことですが、抜歯に対する不安は子供も大人も同じです。しかし、一般的に乳歯の抜歯は、永久歯の抜歯に比べて痛みや負担が少ない場合が多いと言われています。その理由と、歯科医院での痛くない工夫について見ていきましょう。乳歯がグラグラしてくるのは、その下に生えてくる永久歯が乳歯の根を徐々に吸収していくためです。永久歯が成長するにつれて乳歯の根は短くなり、自然と抜け落ちる準備が整います。この段階になると、乳歯は歯茎とのわずかな結合だけで支えられている状態になるため、歯科医師が少し力を加えるだけで、痛みも少なく簡単に抜けることがほとんどです。多くの場合、麻酔も表面麻酔(歯茎に塗るゼリー状の麻酔)だけで十分だったり、場合によっては麻酔なしでも痛みを感じずに抜けたりすることもあります。もちろん、グラグラの程度や子供の感受性によっては、少量の局所麻酔を使用することもあります。その際も、歯科医院では子供が怖がらないように様々な工夫が凝らされています。例えば、注射針を見せないようにしたり、子供の好きなキャラクターの話をしながら気を紛らわせたり、治療が終わったら褒めてあげたりと、精神的なケアも重視されます。また、乳歯専用の小さな器具を使用し、できるだけ短時間で処置を終えるように努めます。ただし、注意が必要なケースもあります。乳歯が虫歯で大きく欠けていたり、根の先に膿が溜まっていたりする場合、あるいは永久歯が正しい位置から生えてこられずに乳歯の根の吸収がスムーズに進んでいない場合などは、通常の自然な生え変わりよりも抜歯が少し難しくなることがあります。このような場合は、しっかりと麻酔をして慎重に抜歯を行う必要があります。また、乳歯がグラグラしていても、なかなか自然に抜けない場合や、永久歯が既に横から生えてきてしまっている場合などは、歯科医師に相談して適切なタイミングで抜いてもらうことが、将来の歯並びのためにも重要です。自宅で無理に抜こうとすると、途中で折れてしまったり、細菌感染を起こしたりするリスクがあるため、基本的には自然に抜けるのを待つか、歯科医院に相談するのが安全です。
子供のグラグラ乳歯抜くのは痛くない?