ふと鏡を見たとき、あるいは食事中に舌に違和感を覚えて触ってみると、今までなかったはずの「ぶつぶつ」ができていて驚いた経験はありませんか。ベロにできるぶつぶつは、見た目も気になりますし、時には痛みを伴うこともあり、何か悪い病気ではないかと不安になるものです。このぶつぶつには、様々な原因が考えられます。最も一般的なものの一つが口内炎です。口内炎と一口に言っても、白い膜で覆われたアフタ性口内炎や、赤くただれるカタル性口内炎など種類があり、舌にも発生します。これらはストレスや疲労、栄養不足、口内の不衛生などが引き金となることが多いです。また、舌炎と呼ばれる舌自体の炎症も、ぶつぶつとして現れることがあります。舌炎の原因も多岐にわたり、ビタミン不足や鉄分不足といった栄養障害、細菌やウイルスの感染、アレルギー反応、薬剤の副作用などが挙げられます。舌の表面にある味を感じるための小さな突起である舌乳頭が炎症を起こし、赤く腫れてぶつぶつに見える舌乳頭炎もよく見られます。これは熱いものを食べたり飲んだりした際の火傷や、誤って舌を噛んでしまった時の傷、あるいは刺激の強い食べ物などが原因となることがあります。さらに、口腔カンジダ症といって、カビの一種であるカンジダ菌が口の中で異常増殖することで、白い苔のようなものが付着し、それがぶつぶつとして感じられることもあります。特に免疫力が低下しているときや、抗生物質を長期間服用している場合などに起こりやすいです。手足口病やヘルパンギーナといったウイルス性の感染症でも、舌に水疱や発疹ができることがあります。これらは子供に多い病気ですが、大人も感染することがあります。稀なケースではありますが、舌がんなどの悪性腫瘍の初期症状として、治りにくいぶつぶつやしこりが現れることもあります。そのため、ぶつぶつが長期間治らない、大きくなる、形が変わる、出血するなどの場合は、自己判断せずに速やかに耳鼻咽喉科や歯科口腔外科を受診することが重要です。
ベロのぶつぶつその正体と原因を探る