長引くマスク生活の中で、「あれ、もしかして自分の口、臭うかも…」と、今まで気付かなかった自分の口臭にハッとした経験はありませんか。マスクをしていると、自分の呼気がマスク内にこもり、普段よりも口臭を感じやすくなるため、このような悩みを抱える人が増えています。では、なぜマスクをすると口臭が気になるのでしょうか。そして、その口臭の根本的な原因は何なのでしょうか。まず、マスク着用が口臭を「感じやすく」するメカニズムについてです。マスク内は呼気で湿度と温度が上がり、細菌が繁殖しやすい環境になります。また、吐いた息がマスクに遮られて鼻に戻ってくるため、微かな臭いも敏感に察知しやすくなるのです。これは、必ずしも口臭が悪化したわけではなく、今まで気づかなかった臭いに気づいただけ、というケースも少なくありません。しかし、実際に口臭が悪化している可能性も否定できません。その主な原因としては、まず「口腔内の乾燥」が挙げられます。マスクをしていると、無意識のうちに口呼吸になりがちです。口呼吸は唾液の分泌を減少させ、口の中を乾燥させます。唾液には、細菌の増殖を抑える自浄作用や抗菌作用があるため、唾液が減ると細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)が多く産生されてしまうのです。次に、「歯周病や虫歯」といった歯科疾患です。これらは口臭の最大の原因とも言われ、歯周病菌がタンパク質を分解する際に強い臭いを発したり、虫歯の穴に食べカスが詰まって腐敗したりすることで口臭が生じます。マスク生活で歯科受診を控えていた間に、これらの症状が進行している可能性も考えられます。また、「舌苔(ぜったい)」も口臭の大きな原因です。舌の表面に付着する白い苔のようなもので、細菌や食べ物のカス、剥がれた粘膜細胞などが溜まって形成されます。これが細菌によって分解されると、やはり臭いを発します。その他にも、ストレスによる唾液分泌の低下、不規則な食生活、胃腸の不調、鼻や喉の病気(副鼻腔炎や扁桃炎など)が口臭の原因となることもあります。マスク生活は、自分の口臭と向き合う良い機会と捉え、まずはその原因を突き止めることが大切です。
マスク生活で気づいた自分の口臭その原因とは