奥歯の奥が痛み、リンパ節まで腫れて痛むという状況になったとき、すぐに病院へ行けない場合など、市販薬で何とかできないかと考える方もいるでしょう。市販薬には、一時的に症状を和らげる効果が期待できるものもありますが、根本的な原因を治療するものではないということを理解しておく必要があります。まず、市販薬で対応できる主な症状は「痛み」と「発熱」です。これらに対しては、「解熱鎮痛剤」が有効です。代表的な成分としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどがあります。これらの薬は、痛みを抑え、熱を下げる効果があります。炎症を抑える作用を併せ持つものもあります。薬局の薬剤師に相談し、自分の症状や体質に合ったものを選び、用法・用量を必ず守って服用しましょう。ただし、これらの薬はあくまで症状を一時的に抑えるものであり、原因となっている細菌感染や炎症そのものを治すわけではありません。また、口の中の殺菌や炎症を抑える目的で、「洗口液(マウスウォッシュ)」や「口腔用スプレー」、「トローチ」などが市販されています。殺菌成分(塩化セチルピリジニウムなど)や抗炎症成分(アズレンスルホン酸ナトリウムなど)が含まれているものがあり、口腔内の環境を整えたり、喉の軽い炎症を和らげたりする効果が期待できる場合があります。しかし、奥歯の奥の深い部分の炎症や、リンパ節にまで影響が及ぶほどの強い炎症に対しては、これらの市販薬だけでは十分な効果が得られないことが多いです。特に、細菌感染が原因である場合、その細菌を効果的に叩くためには、医師の処方による「抗生物質」が必要不可欠です。抗生物質は市販されていません。市販薬を使用する際の注意点として、まず「自己判断で長期間使用しない」ことです。数日間使用しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、市販薬に頼らず、速やかに医療機関を受診してください。また、市販薬で痛みが一時的に治まったとしても、根本的な原因が解決されていなければ、再発したり、気づかないうちに症状が進行したりする可能性があります。奥歯の奥の痛みとリンパ節の腫れは、親知らずの炎症(智歯周囲炎)、歯の根の先の炎症(根尖性歯周炎)、扁桃炎など、専門的な治療が必要な疾患が原因であることが多いです。
奥歯の奥とリンパの痛み市販薬は効果ある?