「下の歯並びがガタガタしてきた」「前歯が重なっていて気になる」そんなお悩みは、多くの場合、矯正治療によって改善することが可能です。矯正治療と聞くと、子供の頃にするものというイメージがあるかもしれませんが、近年では大人になってから矯正治療を始める方も非常に増えています。下の歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、清掃性の低下による虫歯や歯周病のリスク増加、噛み合わせの不調和など、様々な問題を引き起こす可能性があります。矯正治療によってこれらの問題を解決し、健康的で美しい口元を手に入れることができるのです。では、具体的にどのような矯正治療法があるのでしょうか。最も一般的なのは「ワイヤー矯正(ブラケット矯正)」です。歯の表面にブラケットという小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく方法です。ブラケットには金属製のものだけでなく、透明なプラスチック製やセラミック製のものもあり、以前よりも目立ちにくくなっています。また、歯の裏側に装置を取り付ける「舌側矯正(リンガル矯正)」という方法もあり、これは外からはほとんど見えないため、見た目を気にする方に人気です。ただし、舌に装置が当たるため、慣れるまで発音しにくかったり、違和感があったりすることがあります。近年、特に成人矯正で人気が高まっているのが「マウスピース矯正」です。透明なマウスピースを段階的に交換していくことで、歯を少しずつ動かしていく方法です。取り外しが可能なので、食事や歯磨きは普段通りに行えますし、見た目にもほとんど気づかれません。ただし、装着時間を守らないと効果が出にくかったり、歯並びの状態によっては適用できない場合もあります。下の歯並びの乱れの原因が親知らずである場合は、矯正治療の前に親知らずの抜歯が必要になることもあります。また、歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合は、歯を少し削ったり(IPR:歯間隣接面削合)、場合によっては抜歯をしたりすることもあります。矯正治療の期間や費用は、歯並びの状態や選択する治療法によって大きく異なります。一般的には、数ヶ月から2〜3年程度の期間と、数十万円から百万円以上の費用がかかることが多いです。
下の歯並びの乱れは矯正治療で治せる?