私は元々、それほど歯並びにコンプレックスはありませんでした。上の歯は比較的きれいに並んでいましたし、下の歯も若い頃は特に気にならなかったのです。しかし、30代を過ぎたあたりからでしょうか、ふと鏡を見ると、下の前歯が以前よりも少し窮屈そうに重なり合ってきているように感じるようになりました。最初は「気のせいかな?」程度に思っていたのですが、年々その傾向は強まり、明らかに歯がガタガタと前後にずれてきているのが分かるようになったのです。特に、下の真ん中から数えて2番目の歯が、隣の歯の後ろに隠れるように入り込んできてしまいました。舌で触ると、その段差がはっきりと分かり、食べ物が挟まりやすくなったのも気になりました。何よりも、笑った時に下の歯の乱れが見えるのが嫌で、だんだんと思い切り笑うことに抵抗を感じるようになってしまいました。「このままどんどん悪化していくのだろうか…」という不安が募り、ついに歯科医院で相談してみることにしました。歯科医師に診てもらったところ、やはり下の前歯の叢生(そうせい:歯が重なり合って生えている状態)が進行しているとのこと。レントゲンを撮ると、原因の一つとして、まだ生えてきていない親知らずが、顎の中で手前の歯を押している可能性があると指摘されました。また、年齢とともに顎の骨も少しずつ変化し、歯が動きやすくなっているのかもしれないとのことでした。先生からは、これ以上悪化させないため、そして見た目や清掃性を改善するためには、矯正治療が最も効果的だと説明を受けました。親知らずについては、矯正治療の計画に合わせて抜歯を検討することになりました。正直、大人になってからの矯正治療には抵抗があり、費用や期間のことも心配でしたが、先生が私の不安を丁寧に聞いてくださり、マウスピース矯正という目立ちにくい方法もあることを教えてくれました。色々と悩んだ結果、思い切って矯正治療を始めることにしました。治療が始まってからは、定期的な通院やマウスピースの管理など、大変なこともありましたが、少しずつ歯が動いていくのを見ると、モチベーションを保つことができました。今、治療は終盤に差し掛かっていますが、下の歯並びは驚くほどきれいに整い、以前の悩みが嘘のようです。もっと早く相談すれば良かったと思うと同時に、勇気を出して一歩踏み出して本当に良かったと心から感じています。
私の体験談下の歯並びが徐々に悪化…その時