ブリッジ治療は、失った歯の機能や見た目を回復させる一般的な方法ですが、時に治療後に痛みが生じることがあります。もしブリッジの歯が痛くなったら、患者さんはどのように対応するのが正しいのでしょうか。歯科医師の立場から、そのポイントをお伝えします。まず最も重要なことは、自己判断で放置したり、痛みを我慢したりしないことです。痛みには必ず何らかの原因があります。その原因を特定し、適切な処置を施さなければ、症状が悪化したり、他の問題を引き起こしたりする可能性があります。痛みの感じ方や状況(いつから痛いか、どんな時に痛いか、どんな痛みかなど)をできるだけ詳しく把握しておくと、受診の際にスムーズに伝えることができます。市販の痛み止めを服用するのは一時的な対処としては有効ですが、根本的な解決にはなりません。痛みが軽減されたとしても、原因が取り除かれたわけではないことを理解しておきましょう。そして、できるだけ早く歯科医院を受診してください。その際、ブリッジ治療を受けた歯科医院が分かれば、そちらに連絡するのが最もスムーズです。治療の経緯やブリッジの情報を把握しているため、より的確な診断と治療が期待できます。もし、かかりつけの歯科医院が他にある場合や、緊急の場合は、事情を説明して診てもらいましょう。受診までの間は、患部をできるだけ安静に保つことが大切です。硬いものや刺激物を避け、歯磨きの際は優しく丁寧に、ただしブリッジ周囲の清掃は可能な範囲で行ってください。強すぎるうがいも避けた方が良い場合があります。歯科医院では、問診、視診、レントゲン検査などを行い、痛みの原因を特定します。原因としては、支台歯の虫歯、歯周病、根尖病巣、ブリッジの不適合、噛み合わせの問題などが考えられます。原因が判明すれば、それに応じた治療計画が立てられます。治療内容によっては、ブリッジを一度外す必要がある場合もあります。患者さん自身ができることは限られています。不安な気持ちはよく分かりますが、専門家である歯科医師を信頼し、指示に従って治療を進めていくことが、問題解決への最短ルートです。
歯科医に聞くブリッジの歯が痛い時の正しい対応