夜、横になると歯がズキズキと痛み出し、眠りたくても眠れない…。そんな辛い経験は、一刻も早く解消したいものです。歯科医院での根本的な治療が最も重要ですが、受診するまでの間や治療中の夜を少しでも楽に過ごすための睡眠法や工夫についてご紹介します。まず、試してみたいのが「頭を高くして寝る」ことです。完全にフラットな状態で横になると、頭部への血流が増加し、炎症を起こしている歯の神経(歯髄)への圧力がかかりやすくなり、痛みが増強します。枕を普段より高くしたり、数枚重ねたり、あるいはリクライニングできるベッドやソファであれば、少し上半身を起こした状態で寝ることで、頭部への血流をいくらか抑制し、痛みを和らげる効果が期待できます。自分にとって楽な角度を見つけてみましょう。次に、「痛む側を下にして寝ない」ように注意することです。痛む側の歯を下にして寝ると、その部分が圧迫されたり、血流が滞ったりして、痛みが悪化する可能性があります。できるだけ痛くない側を下にするか、仰向けで寝るようにしましょう。また、「寝る前の刺激物を避ける」ことも大切です。カフェインを多く含むコーヒーや紅茶、アルコール、喫煙などは、神経を興奮させたり、血行を促進したりして、痛みを悪化させる可能性があります。就寝前の数時間はこれらの摂取を控えるようにしましょう。口腔内を清潔に保つことも、間接的に痛みの緩和に繋がる場合があります。「寝る前に優しく歯磨きやうがいをする」ことで、口の中の細菌を減らし、炎症の悪化を少しでも抑えることを目指しましょう。ただし、痛みが強い時に無理にゴシゴシ磨くと逆効果になるので、できる範囲で丁寧に行います。精神的なリラックスも重要です。「痛みに意識を集中しすぎない」ように、穏やかな音楽を聴いたり、深呼吸をしたり、読書をするなどして、気を紛らわせる工夫も有効です。アロマテラピーでリラックス効果のある香り(ラベンダーなど)を試してみるのも良いかもしれません。もし、市販の鎮痛剤を服用する場合は、用法・用量を守り、就寝前に服用することで、睡眠中の痛みをある程度抑えることができるかもしれません。
横になると歯が痛い時の睡眠法少しでも楽に