あれは数年前の冬のことでした。最初は、なんとなく右の奥歯の奥に違和感がある程度だったのですが、数日後にはズキズキとした強い痛みに変わり、さらに顎の下のリンパ節がピンポン玉くらいに腫れて、触るとかなりの痛みがありました。熱も38度近くまで上がり、体もだるく、食事を摂るのも億劫になるほどでした。鏡で見ると、右下の親知らずの周りの歯茎が赤く腫れあがっているのが分かりました。「これはただ事ではない」と思い、翌日、かかりつけの歯科医院に駆け込みました。レントゲンを撮ってもらい診察してもらった結果、やはり「智歯周囲炎」と診断されました。私の親知らずは斜めに生えていて、一部が歯茎に埋もれていたため、そこに細菌が感染し、急性の強い炎症を起こしてしまったとのことでした。リンパ節の腫れも、この炎症が原因で起きていると説明を受けました。先生からは、まずは抗生物質と消炎鎮痛剤で炎症を抑えることが先決で、炎症が落ち着いたら親知らずを抜歯するのが望ましいと言われました。薬を飲み始めると、数日で嘘のように痛みと腫れ、そして熱も引いていきました。リンパ節の腫れも徐々に小さくなり、一週間ほどでほぼ元の状態に戻りました。あの時の辛さが嘘のようでした。そして、炎症が完全に治まった後、改めて親知らずの抜歯手術を受けました。抜歯は少し大変でしたが、あの時の激痛とリンパの腫れを繰り返すことを考えれば、抜いて本当に良かったと思っています。この経験を通じて、歯や歯茎の異常、特に親知らずの周辺に異変を感じたら、絶対に放置せずにすぐに専門医に診てもらうことの重要性を痛感しました。また、リンパ節の腫れは、体のどこかで炎症が起きているサインなのだということも学びました。奥歯の奥の痛みとリンパの腫れは、我慢できるものではありませんし、我慢すべきでもありません。早めの対処が、早期回復への一番の近道だと実感した出来事でした。
私の体験談奥歯の奥の痛みとリンパの腫れ