大人のしゃくれ治療は、小児矯正のように成長をコントロールすることはできませんが、矯正治療や外科手術によって、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや発音、咀嚼機能といった機能面の改善も期待できます。諦めることなく、専門医に相談することで、長年の悩みを解決できる可能性があります。大人のしゃくれ治療において、まず検討されるのが「矯正治療」です。軽度から中程度のしゃくれで、主に歯並びの問題が原因である場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって、歯を適切に動かし、噛み合わせを整えることでしゃくれの見た目を改善できます。歯並びが整うことで、口元がすっきりとし、顔全体のバランスも向上する効果が期待できます。しかし、骨格的な問題が大きい「重度のしゃくれ」の場合、矯正治療だけでは限界があり、「外科的矯正治療(顎変形症手術)」が必要となります。これは、顎の骨を切って適切な位置に移動させる手術と、矯正治療を組み合わせた方法です。手術によって顎の骨格そのものを根本的に改善するため、劇的な見た目の変化が期待できます。下顎の突出が改善され、顔のプロポーションが整うことで、顔全体の印象が大きく変わります。また、噛み合わせが正確になることで、咀嚼効率が向上し、消化器への負担も軽減されます。さらに、発音の改善や、口呼吸から鼻呼吸への移行がしやすくなることで、睡眠の質の向上や歯周病リスクの軽減にも繋がるなど、多くの機能的なメリットが得られます。外科的矯正治療は、大がかりな治療となるため、口腔外科医と矯正歯科医が密接に連携し、綿密な治療計画を立てることが不可欠です。治療期間は、手術前後の矯正期間を含めて数年を要することが一般的ですが、その分、得られる効果も大きく、患者さんの満足度は非常に高い治療法です。大人のしゃくれで悩んでいる方は、まずは矯正歯科医や口腔外科医に相談し、自身の状態に合わせた最適な治療法について、詳しく説明を受けることから始めるのが良いでしょう。